甲状腺の病気に気をつけよう|自己判断は禁物

脳血管の先天的異常

ナイダスをどう診断するか

医者と看護師

人間の脳はどの動物よりも高度に発達を遂げているため、多くのエネルギーを必要とします。脳内には網の目のように毛細血管が張り巡らされており、隅々にまで酸素と栄養素を送り届けているのです。毛細血管の大本には太い動脈があり、老廃物を回収した毛細血管は静脈へと集約されるのが普通です。10万人に1人という極めて稀な頻度ではありますが、この脳内血管の形状に先天的な異常が見られるケースがあります。脳動静脈奇形と呼ばれるこの病気は胎児の段階で形成され、成長してから症状が表れてきます。通常は毛細血管が入るところを、脳動静脈奇形では動脈と静脈がナイダスという血管のかたまりを通して直接つながっています。ナイダスやその先の静脈には動脈の強い圧力がかかるため、破れて出血しやすくなります。10代から30代にかけての若い年代でもクモ膜下出血や脳内出血を起こす恐れがあるのです。出血していない場合でも麻痺やてんかん症状が見られる場合があります。脳神経外科では脳動静脈奇形の可能性がある患者さんに対して、最新検査機器を使って正確な診断を行います。脳内血管のどの位置にナイダスがあるかによって治療方針が変わってくるのです。

ガンマナイフの効果

カテーテルを使った脳血管撮影や造影CT・MRI検査によってナイダスの状態が詳細に判明します。こうした検査結果に基いて、積極的な治療を実施するのか経過観察とするのかを決定します。脳動静脈奇形の治療には大きく分けて開頭手術とガンマナイフによる放射線治療の2種類があります。大腿動脈から脳血管までカテーテルを通してナイダスを塞ぐ材料を送り込む塞栓術は、この2つの治療法を補う方法です。最も治療効果が高いのは開頭手術でナイダスを全摘出することですが、血管部位によっては執刀が困難なケースもあります。ナイダスの直径が3センチ以内であれば、より安全な放射線治療が可能です。ガンマナイフを患部に照射させる放射線治療は、ナイダスに対して人工的に脳梗塞を起こさせるのを目的とします。放射線を受けた部分の血管は時間をかけて徐々に塞がっていき、順調なら2年から3年でナイダスが消失します。3センチを超えるナイダスには事前にカテーテルを使った塞栓術を施し、3センチ以内に縮小させることが可能です。ガンマナイフ治療が受けられる病院は限られますので、脳動静脈奇形が疑われる場合は事前に調べてから医療機関を受診するといいでしょう。